ミヅキの超短読書感想文

読んだ本についての超短い感想文です。

文学本

糸 – 林民夫

花火大会で出会った、中学生の男女が、すれ違いながら、互いにつながる糸を手繰り寄せていくお話です。 無味簡素な表現でつづられていますが、読み進めるうちに、ほんのり温度を感じます。 糸 (幻冬舎文庫) 作者:林民夫 発売日: 2020/02/19 メディア: Kindle…

ノートルダム・ド・パリ – ヴィクトル・ユゴー

15世紀のパリで、美しいジプシー娘が、女癖の悪い男前兵士に恋をするお話です。 上巻は、建築の歴史やら難しいお話が続きますが、下巻からは、個性的なキャラクターたちが全開で物語を編み出していきます。 ノートルダム・ド・パリ(上) 作者:ヴィクトル・…

愛がなんだ – 角田 光代

「片思いの男性」ファーストなOLさんのお話です。 一生懸命のベクトルを間違えたまま「愛」が突き進むと、サスペンス劇場的展開になっちゃいますよね。 愛がなんだ (角川文庫) 作者:角田 光代 発売日: 2012/10/01 メディア: Kindle版

敗者たちの季節 - あさのあつこ

夏の甲子園大会の地方大会準優勝チームが、優勝チームの不祥事で繰り上がり出場するお話です。 エース投手だけではなく、相手選手、監督、家族等々、色々なひとたちの甲子園が語られています。 敗者たちの季節 (角川文庫) 作者:あさの あつこ 発売日: 2017/0…

武蔵(一) – 花村萬月

後の剣豪、宮本武蔵の幼少期のお話です。 とっても強くて無自覚モテさんが主人公ではありますが、さえない大人だったり、弱々友人たちがキラッと輝く瞬間に心惹かれます。 武蔵(一) 作者:花村萬月 発売日: 2017/06/02 メディア: Kindle版

探偵はバーにいる – 東直己

北海道ススキノで、便利屋の男性が、殺人事件に巻き込まれるお話です。 「いい人」達に、散々振り回されて、苦労させられまくります。 探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA) 作者:東 直己 発売日: 1995/08/01 メディア: 文庫

夏美のホタル – 森沢 明夫

写真家志望の大学生とその彼女が、たまたま、トイレを借りに訪れた田舎の雑貨屋さん親子と過ごした夏休みのお話です。 いい人達が出ている、ひたすらにいいお話を読んだ結果、家族に「ありがとう」って言ってみようと誓っています。 夏美のホタル (角川文庫)…

崖 - 井上 靖

崖から落ちて、過去3年間の記憶を失った男性が、過去の自分を探すお話です。 ぽつぽつと点だった記憶が、次第に埋まっていく、ジグソーパズルを解いていくような面白さです。 崖(上) (文春文庫) 作者:井上 靖 発売日: 2012/09/20 メディア: Kindle版 崖(…

ヒカルの卵 – 森沢明夫

限界集落で、卵かけごはん専門店を開く養鶏農家の男性のお話です。 主人公は、自身で何度も言っているとおり、とってもツイているので、たまの休日にのんびり楽しむのがおススメです。 ヒカルの卵 (徳間文庫) 作者:森沢明夫 発売日: 2017/07/14 メディア: Ki…

他人の顔 – 安部公房

液体空気の爆発事故で、顔を失った男性が、精巧な他人の顔マスクをかぶります。 周りの人々は、自分が考えているより、外見なんて気にしていないって、なかなか気づけないですよね。 他人の顔 (新潮文庫) 作者:公房, 安部 発売日: 1968/12/24 メディア: 文庫

神なるオオカミ – 姜戎

近代化が進む文化革命の中国からモンゴルにやってきた少年が、当時、大草原を支配していたオオカミに魅了されているお話です。 題名であるオオカミが中心ではありますが、放牧で暮らす遊牧民と生活する、羊、馬、犬たちも、とっても生き生きと描写されていて…

皇帝の密使 – ジュール・ヴェルヌ

自軍のロシア軍の危機を伝えるため、モスクワから東端シベリア イルクーツクへ密書を運ぶ、屈強な男性のお話です。 常に危機が迫り続けて、ハラハラドキドキしている間に、読み切ってしまいます。 皇帝の密使(上) 驚異の旅 作者:ジュール・ヴェルヌ 発売日…

餓狼伝 : IV~XIII (双葉文庫) – 夢枕獏

世界初の公式異種格闘技トーナメントに挑む、我流格闘家のお話です。 とにかく、空手館長の何もかもが太いキャラが濃すぎて、全部持ってっちゃった感じです。 餓狼伝 : IV (双葉文庫) 作者:夢枕獏 発売日: 2014/02/27 メディア: Kindle版 餓狼伝 : XIII (…

フラニーとズーイ – サリンジャー

名門大学に通う美しい妹フラニーと、俳優の兄ズーイが、腹の中にため込んだ色々を吐き出すお話です。ズーイの荒く、汚い中に優しさを感じるセリフたちで、ちょっとだけ優しくなれた気がします。 フラニーとズーイ (新潮文庫) 作者:サリンジャー 発売日: 2014…

カストロの尼 – スタンダール

16世紀のイタリアで、絶世の美女と、女性の父親にやとわれた傭兵の若者が恋をするお話です。 修道院に入れられた女性を強奪しようとしたり、色々と手を尽くしますが、なかなか成就できない恋物語です。 カストロの尼 作者:スタンダール 発売日: 2015/03/04 …

餓狼伝 : I~II – 夢枕 獏

昔敗れたプロレスラーに勝つために、鍛えまくる男性のお話です。 関節を決めたら折にいくガチンコ格闘で、熱くなってしまいます。 餓狼伝 : I (双葉文庫) 作者:夢枕 獏 発売日: 2012/09/07 メディア: Kindle版 餓狼伝 : II (双葉文庫) 作者:夢枕獏 発売日:…

爛柯の宴(第六局) – 松井 琢磨

受注を巡っての囲碁対決後が終わった後、燃え尽き症候群になった男性のお話です。 これまでは、ひたすら囲碁に取り組んでいましたが、急に鈍感系主人公ラブコメ始まっちゃいます。 爛柯の宴(第六局) 作者:松井 琢磨 発売日: 2020/04/22 メディア: Kindle版

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

極度の人見知りで、足の骨折のため入院中の女性が店長の古書店に、務めることになった男性のお話です。 名著にまつわる事件を、男性が足で稼ぎ、店長がびしっと推理していきます。かなりやさしい世界です。 ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人…

爛柯の宴(第五局) – 松井 琢磨

仕事の発注先を巡っての囲碁対決のため、チームメンバーを探し、実力アップに奔走する男性のお話です。 最後に残っていたものが囲碁だったり、過去引っ掛かり続けていたのが囲碁だったり、それぞれ抱えたままに対戦に挑みます。 爛柯の宴(第五局) 作者:松…

すばらしい新世界 – オールダス・ハックスリー

西暦2540年、人間が工場生産されて、不満のない世界で、人間から生まれた異端児の男性のお話です。 みんなが幸せってのは、良いことのようですが、人々の歩みが止まっていることなので、とっても不幸かも知れません。 すばらしい新世界 作者:オールダス・ハ…

猫と庄造と二人のをんな 中公文庫 – 谷崎 潤一郎

猫が可愛いくてしょうがない男性と、その元妻、妻のお話です。 猫さんがちょっとでも良い顔をしてくれれば、それだけで他のことはどうでもよくなってしまいますよね。 猫と庄造と二人のをんな (中公文庫) 作者:谷崎 潤一郎 発売日: 2013/07/23 メディア: 文庫

総理にされた男 – 中山 七里

総理によく似た売れない舞台俳優が、内閣総理大臣の代理になってしまうお話です。 俳優目線で、政治家の答弁が物足りなく見えたりしますが、「青臭い理想」というやつを信じてみたくなります。 総理にされた男 作者:中山 七里 発売日: 2015/08/25 メディア: …

池袋ウエストゲートパーク – 石田 衣良

PHSの頃の池袋の少年たちが、事件を解決するお話です。 徹頭徹尾、頭の切れる「マコト」の一人称で、物語が超高速で展開していく、まるでジェットコースターのようです。 池袋ウエストゲートパーク 作者:石田 衣良 発売日: 2012/09/20 メディア: Kindle版

きっと君は泣く (角川文庫) – 山本 文緒

おばあちゃん譲りの美人さん(23才)のお話です。 おばあちゃんみたいに格好よく生きようとしますが、現実はどうしてもその逆に向かって行ってしまいます。 きっと君は泣く (角川文庫) 作者:山本 文緒 発売日: 2013/07/17 メディア: Kindle版

人間失格 – 太宰治

ある男性が残した「恥の多い人生でした」な手記のお話です。 子供のころから自分と周りとのズレを認めて、そのズレを育てちゃって、歪んだ結末に向かっていきます。 人間失格 作者:太宰 治 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版

武器よさらば - ヘミングウェイ

第1次大戦の中で、イギリス軍に従軍していたアメリカ人の若者が、イギリス人看護婦さんに恋をするお話です。 どんなに懸命に、親、戦争と運命に抗っても、 武器よさらば (新潮文庫) 作者:アーネスト ヘミングウェイ 発売日: 2006/05/30 メディア: ペーパー…

黄色い部屋の秘密 – ガストン・ルルー

密室で令嬢が襲われた事件に挑む、18才の天才記者さんのお話です。 主人公が犯人を特定しても、なかなか明かしてくらず、引っ張られまくる感じが痺れます、 黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ガストン ルルー 発売日: 2015/10/30…

審判 – カフカ

突然逮捕されて裁判にかけられる銀行員の男性のお話です。 目の前のコトを一生懸命にやっているのに、同じところをぐるぐる回り続けているような気持になってしまいます。 審判 (カフカ小説全集) 作者:フランツ カフカ メディア: 単行本

告白 – 湊かなえ

終業式のホームルームで、女担任から自分の子供を殺した生徒を告白されたクラスのお話です。 じわじわと犯人を追い詰めていく、女担任の執念がおっかないのに読み進めてしまいます。 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) 作者:湊 かなえ 発売日: 2010/04/08 …

青い麦 – コレット

バカンスで訪れた先で、大人の女性と幼馴染とに翻弄される、少年のお話です。 思春期の少年は、女性に対して、流されまくりますよね。 青い麦 (集英社文庫) 作者:コレット 発売日: 1991/06/20 メディア: 文庫