ミヅキの超短読書感想文

読んだ本についての超短い感想文です。

2018-01-01から1年間の記事一覧

すねた娘 ー E・S・ガードナー/鮎川信夫訳

弁護士が、すねたような態度の女性から遺産相続について依頼を受けますが、その後、殺人事件の弁護へアップグレードします。 とにかく弁護士が有能で、見事な推理と法廷でのやり取りに、スカッとしちゃいます。

一九八四年 ー ジョージ・オーウェル

革命により「偉大なる兄弟」率いる「党」に支配された世界で、「党」に監視された生活へ疑問を持った男のお話です。 何の集団でも、一度、システムが確立してしまうと、少しのずれも許せなくなってしまうものらしいです。

ねじの回転 ー ジェイムズ

若いご婦人が、姉弟の住み込み家庭教師として、立派なお屋敷で不思議な体験をするお話です。 まるで、絵画のロマン派ポール・ドラローシュの絵画を見ているような、緻密な表現ではありますが、その結果なんと解釈してよいか悩んでしまいます。

夜行 ー 森見登美彦

生徒が失踪してから10年後、同じ外国語学校に通っていた生徒が集まって、それぞれ自分の不思議な体験を話していくと、すべてが「夜行」という絵画とのつながりが浮かんでくるお話です。 今見ているもの、記憶していること、これから・・・、確定しているもの…

ナミヤ雑貨店の奇蹟 ー 東野圭吾

悩み事を書いた手紙をポストに入れると、その回答が牛乳入れに返ってくる、雑貨屋さんのお話です。 メールではなく手紙ってことが、より相手に気持ちや、一生懸命に考えたことが伝わります。

書写人バートルビー―ウォール街の物語 ー ハーマン・メルヴィル/柴田元幸訳

会計事務所で働く、変わった使用人が、さらに変人になっていくお話です。 ついつい自分に置き換えて、仕事のお願いに「そうしないほうが好ましいのです」と流されたことを想像して、ひとりダメージを受けてしまいます。

ヴェニスに死す ー トーマス・マン作/植田敏郎訳

美少年に、芸術家のおっさんがラブなお話です。 度々チャンスは訪れますが、なっかなかお話しできず、読みながら応援してしまいます。

ボヴァリー夫人 ー フローベール/白井浩司訳

まじめなお医者さんと結婚した女性が、物語のような恋を追いかけていくお話です。 お父さんと旦那さんが、愛しまくり、甘やかしまくります。

樽 ー クロフツ/田村隆一 訳

船便で埠頭に運ばれた樽から、金貨と女性の遺体が見つかった事件のお話です。 物語は、ひたすらに、観察(Observe)→状況判断(Orient)→意思決定(Decide)→行動(Act)を繰り返すOODAループ(Wikiペディアへのリンク)を回し続けて核心へ向かっていくので、ビジネ…

OVER PRINCE ー 神埼 黒音

アニメ化もされているオーバーロードの2次作品で、もし主人公に流星の王子様属性追加ならばってお話です。 終始、怒涛のビックウェーブ展開で、一気に読み切ってしまいます。 すべての登場キャラクタが大幅に濃縮して描かれているので、原作を知らない方も…

アイの物語 ー 山本弘

人類は衰退してアンドロイドが主となった世界で、女性型アンドロイドから人間の少年に語る7つのお話です。 人工知能から見ても、人間は不合理で脆い存在・・・・・ですがそこが良いです。

車輪の下で ー ヘッセ

周囲の期待に応えるべく勉強に励んできた少年が、優秀な生徒が集まる神学校に上がってから、今まで経験できなかった人間関係とかに戸惑うお話です。 優越感っていうのは、ほんの一瞬気分を良くしてくれる以外には、あまり有用ではないようです。

支倉事件 ー 甲賀三郎

カネに汚く素行の悪い宣教師が、窃盗、放火、強姦殺人の疑いで逮捕され、死体はあれども大正時代なので科学捜査なんてものはなく、目撃者もいない刑事裁判のお話です。 相手が、敵/味方のどちらに付くかは、自分次第なところが大きいのかなって考えてしまい…

さまよえる湖 ー スウェン・ヘディン/岩村忍訳

移動する湖の仮説を確認するために、1930年代の中央アジアを冒険するお話です。 本流を探して川を辿り、水が来ていたであろう遺跡を調べるなど大冒険ですが、主人公である著者の豊富な経験から適切に選択をしていくので、なんか安心感があります。

光圀伝 ー 冲方丁

水戸黄門tueeeeってお話です。 ヒロインも、聡明お姫様とその無口侍女など、ばっちりな布陣となっております。

コンビニ人間 ー 村田沙耶香

ほぼ題名通りですが、コンビニで働くことが目的になった女性のお話です。 他店のイケてない商品陳列やPopを見ると、改善したくなってたまらなくなるのは、すっごく共感してしまいます。

九十三年 ー ヴィクトル・ユゴー/榊原晃三訳

フランス革命後のロペス・ピエール政権下での内戦のお話です。 乱戦の描写がわずかな文章なのですが、とてもリアルに絵が頭へ浮かび上がり、手に汗握ります。

J・M・ケイン作/田中小実昌訳 ー 郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす

流れ者の男とギリシャ人の旦那を持つ妻とで、やっつけの完全犯罪計画でトラブル連続夫殺害のお話です。 すべてを失ったと思っているときにだけ、余計な欲とかの感情が抜けて、純粋な気持ちになります。

嵐が丘 ー エミリー・ブロンテ/田中西二郎訳

恋がかなわず姿を消していた素晴らしい少年が、青年となって嵐が丘と呼ばれるお屋敷に戻り復讐をしていくお話です。 自分の息子だろうと容赦なく、とことん酷いですが、ひとの心は負けないようです。

兎の眼 ー 灰谷健次郎

ゴミ処理場隣の学校に勤務している若い女性教師が、超頑張るお話です。 生徒、同僚の先生をはじめ、通りががりの人まで個性的で、とっても濃ゆく描かれています。

チップス先生さようなら ー ヒルトン/菊池 重三郎訳

イギリスで教鞭を取るチップス先生のお話です。 みんなから頼られる先生は、ほのぼのした雰囲気になっています。

エマー ジェーン・オースティン/ハーディング祥子訳

イギリス社交界で、ちょっぴり(自称)お節介で、ちょっと(自称)妄想好きな淑女の恋愛事情のお話です。 エマ嬢のブーメラン具合を楽しく読むことができます。

炎熱商人ー 深田祐介

日本が建築ラッシュの中、フィリピン駐留の木材商社マンが、無茶な要求をしてくる本社や、功をあせる同僚と、優秀な上司、現地スタッフのなかで、奮闘するお話です。 カーチャンが無理やり持っていかせた品々が、現地で大変ご好評です。

グレート・ギャツビー ー フィツジェラルド

田舎から出てきた青年が、突然、大金持に友達認定されるお話です。 少しずつギャッツビー氏の秘密が明かされていきますが、お金持ちってのは、大変なんだなぁです。

孤高の人 ー 新田次郎

ヒマラヤ登頂を目指しながら、単独で登頂していく男の物語です。 夏山のさわやかな風、冬山の凍える風、開いたページの空気を感じられます。

オリヴァ・トゥイスト ー チャールズ・ディケンズ/北川悌二訳

生後すぐに母親と死に別れた少年が冒険するお話です。 悪いやつが幅を利かせますが、良い人たちも必ずいます。

女王陛下のユリシーズ号 ー アリステア・マクリーン

第2次世界対戦時にイギリス軍艦が、北極海で困難な闘いに挑みます。 海の男のお話です。

ゴリオ爺さん ー バルザック作/小西茂也訳

安下宿に部屋を借りている謎のゴリオ爺さんのお話です。 娘に甘すぎは、そのうち大変なことになります。

DIVE!! ー 森 絵都

高飛び込み競技でオリンピックを目指して切磋琢磨する少年たちのお話です。 ズルとか妨害しちゃう”いやな奴”が登場しない、さわやかものがたりです。

生存者ゼロ ー 安生正

北海道で起きた謎の大量死亡事件を追う物語です。 主な登場人物が、ことごとく苦渋の選択をしていきます。家族が一番大事なのです。