ミヅキの超短読書感想文

読んだ本についての超短い感想文です。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

スクラップ・アンド・ビルド – 羽田圭介

「早う死にたか」が口癖の要介護祖父と暮す、お孫さんのお話です。 無職で資格の勉強もはかどっていない状況から、読者目線で「なんか違う」って自己改革を進めますが、表面の言葉には出ない「他人の気持ち」に気が付きます。 スクラップ・アンド・ビルド 作…

アラビアの夜の種族Ⅲ – 古川日出男

災厄の書では、魔王が復活して、勇者たちが再び戦い、ナポレオンがいよいよ攻め込んでくるお話です。 アラビアのお話は、色とか匂いとか刺激的なものが多いですが、この本はなんか白黒な読感です。 アラビアの夜の種族 III (角川文庫) 作者: 古川日出男,片岡…

アラビアの夜の種族Ⅱ – 古川日出男

ナポレオン軍は、ついに海を越えて上陸し、「災厄の書」は、地下ダンジョンで、魔王と勇者たちが戦いを繰り広げるお話です。 これまでのお話の主人公たちが同じ戦場に集う。。。超定番ではありますが、やはりそれが面白いと再認識してしまいます。 アラビア…

アラビアの夜の種族Ⅰ – 古川日出男

圧倒的な戦力を持フランス軍が攻めてきているカイロ(エジプト)で、本好きのナポレオンに読ませて虜にするために作成している、「禁断の書」のお話です。 魔物、魔法、ダンジョンと、とってもファンタジー物になっていて、異世界ラノベ好きなひとたちにも、…

ラプラスの魔女 – 東野圭吾

天気をピタリと当てちゃう少女と、地球化学研究者の男性が、2つの温泉地で起きた硫化水素ガス中毒事故or殺人事件を追うお話です。 登場人物みんな自分の役割と行動にブレが無く、アナログ時計の歯車を覗いたときに感じる、とってもロジカルな読感でした。 ラ…

日の名残り – カズオ・イシグロ

英国のお屋敷に住み込みで働いているベテラン紳士が、過去の出来事を回想しながら、かつての同僚に会いに行くお話です。 英国紳士である主人公が、米国人主人のアメリカンジョークを必死に理解しようとする姿にユーモアを感じます。 日の名残り (ハヤカワepi…

西部戦線異状なし – エリッヒ・マリア・レマルク/蕗沢忠枝訳

ドイツの若者が、第一次世界大戦の最前線で体験したことのお話です。 銃弾が飛び交い、爆弾が降りそそぐ中で、若者を兵士に変えてゆく戦争の怖さを感じられます。 西部戦線異状なし (新潮文庫) 作者: レマルク,秦豊吉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1955/…

喜びから人生を生きる!: 臨死体験が教えてくれたこと – アニータ・ムアジャーニ

ガンでの臨死体験と、その前後についてのお話です。 この世界はディープラーニング中だとすると、我々はニューラルネットワークのセルの一つで、今の階層の計算が終わったら、一度解放されて次以降の階層で再利用されてたりなんて、SFチックな気持ちになりま…

リターンマッチ – 後藤正治

ノンフィクションの定時制高校ボクシング部顧問のお話です。 様々な事情がある部員たちと困難に立ち向かおうとし続ける、超ブルファイタータイプのセンセイです。 リターンマッチ (文春文庫) 作者: 後藤正治 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2001/09 メデ…

死の家の記録 – ドストエフスキー

かつて思想犯の罪で監獄に入れられた男性が残した、当時の手記のお話です。 当時の出来事やほかの囚人について綴っていますが、貴族目線ってところがユニークかなと思います。 死の家の記録 (光文社古典新訳文庫) 作者: ドストエフスキー 出版社/メーカー: …

人間の絆(下) – モーム/北川悌二訳

医学生が、苦労しながら経験を積んで、ひとりの男性に成長するお話です。 主人公は、自分が厳しい状況でも、恋人、友人、知人へ差し伸べます。これが英国紳士ってことなのかなと思います。 人間の絆〈下〉 (岩波文庫) 作者: モーム,W.Somerset Maugham,行方…