ミヅキの超短読書感想文

読んだ本についての超短い感想文です。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

すねた娘 ー E・S・ガードナー/鮎川信夫訳

弁護士が、すねたような態度の女性から遺産相続について依頼を受けますが、その後、殺人事件の弁護へアップグレードします。 とにかく弁護士が有能で、見事な推理と法廷でのやり取りに、スカッとしちゃいます。

一九八四年 ー ジョージ・オーウェル

革命により「偉大なる兄弟」率いる「党」に支配された世界で、「党」に監視された生活へ疑問を持った男のお話です。 何の集団でも、一度、システムが確立してしまうと、少しのずれも許せなくなってしまうものらしいです。

ねじの回転 ー ジェイムズ

若いご婦人が、姉弟の住み込み家庭教師として、立派なお屋敷で不思議な体験をするお話です。 まるで、絵画のロマン派ポール・ドラローシュの絵画を見ているような、緻密な表現ではありますが、その結果なんと解釈してよいか悩んでしまいます。

夜行 ー 森見登美彦

生徒が失踪してから10年後、同じ外国語学校に通っていた生徒が集まって、それぞれ自分の不思議な体験を話していくと、すべてが「夜行」という絵画とのつながりが浮かんでくるお話です。 今見ているもの、記憶していること、これから・・・、確定しているもの…

ナミヤ雑貨店の奇蹟 ー 東野圭吾

悩み事を書いた手紙をポストに入れると、その回答が牛乳入れに返ってくる、雑貨屋さんのお話です。 メールではなく手紙ってことが、より相手に気持ちや、一生懸命に考えたことが伝わります。

書写人バートルビー―ウォール街の物語 ー ハーマン・メルヴィル/柴田元幸訳

会計事務所で働く、変わった使用人が、さらに変人になっていくお話です。 ついつい自分に置き換えて、仕事のお願いに「そうしないほうが好ましいのです」と流されたことを想像して、ひとりダメージを受けてしまいます。

ヴェニスに死す ー トーマス・マン作/植田敏郎訳

美少年に、芸術家のおっさんがラブなお話です。 度々チャンスは訪れますが、なっかなかお話しできず、読みながら応援してしまいます。

ボヴァリー夫人 ー フローベール/白井浩司訳

まじめなお医者さんと結婚した女性が、物語のような恋を追いかけていくお話です。 お父さんと旦那さんが、愛しまくり、甘やかしまくります。

樽 ー クロフツ/田村隆一 訳

船便で埠頭に運ばれた樽から、金貨と女性の遺体が見つかった事件のお話です。 物語は、ひたすらに、観察(Observe)→状況判断(Orient)→意思決定(Decide)→行動(Act)を繰り返すOODAループ(Wikiペディアへのリンク)を回し続けて核心へ向かっていくので、ビジネ…

OVER PRINCE ー 神埼 黒音

アニメ化もされているオーバーロードの2次作品で、もし主人公に流星の王子様属性追加ならばってお話です。 終始、怒涛のビックウェーブ展開で、一気に読み切ってしまいます。 すべての登場キャラクタが大幅に濃縮して描かれているので、原作を知らない方も…

アイの物語 ー 山本弘

人類は衰退してアンドロイドが主となった世界で、女性型アンドロイドから人間の少年に語る7つのお話です。 人工知能から見ても、人間は不合理で脆い存在・・・・・ですがそこが良いです。

車輪の下で ー ヘッセ

周囲の期待に応えるべく勉強に励んできた少年が、優秀な生徒が集まる神学校に上がってから、今まで経験できなかった人間関係とかに戸惑うお話です。 優越感っていうのは、ほんの一瞬気分を良くしてくれる以外には、あまり有用ではないようです。

支倉事件 ー 甲賀三郎

カネに汚く素行の悪い宣教師が、窃盗、放火、強姦殺人の疑いで逮捕され、死体はあれども大正時代なので科学捜査なんてものはなく、目撃者もいない刑事裁判のお話です。 相手が、敵/味方のどちらに付くかは、自分次第なところが大きいのかなって考えてしまい…

さまよえる湖 ー スウェン・ヘディン/岩村忍訳

移動する湖の仮説を確認するために、1930年代の中央アジアを冒険するお話です。 本流を探して川を辿り、水が来ていたであろう遺跡を調べるなど大冒険ですが、主人公である著者の豊富な経験から適切に選択をしていくので、なんか安心感があります。

光圀伝 ー 冲方丁

水戸黄門tueeeeってお話です。 ヒロインも、聡明お姫様とその無口侍女など、ばっちりな布陣となっております。

コンビニ人間 ー 村田沙耶香

ほぼ題名通りですが、コンビニで働くことが目的になった女性のお話です。 他店のイケてない商品陳列やPopを見ると、改善したくなってたまらなくなるのは、すっごく共感してしまいます。

九十三年 ー ヴィクトル・ユゴー/榊原晃三訳

フランス革命後のロペス・ピエール政権下での内戦のお話です。 乱戦の描写がわずかな文章なのですが、とてもリアルに絵が頭へ浮かび上がり、手に汗握ります。